上海の夏の薬膳「山羊鍋」、伏天を過ごすために

山羊肉の鍋

山羊肉の鍋

夏の暑い「三伏」の時期に食べる山羊のことを「伏羊」と言います。 
 上海エリアの夏の薬膳といえば、私は山羊を外すことができないと思います。とくに、上海南部の奉賢区や金山区までいくと、「伏羊の熱いスープを飲めば、薬は必要ない」と言うぐらい、山羊肉信仰が強いのも事実です。

 「三伏」はちょうど暦の上で小暑から立秋ぐらいの時期を指します。ここでいう「伏」というのは、伏邪のことを言います。つまり、身体の病気を引き起こす六淫(風、寒、暑、湿、燥、火)のうち、夏の暑さと関係のある暑邪が体内に潜伏し、もしこの暑邪を排除しなければ、秋になると肺を傷つけ(火克金)、咳や発熱など上気道に関係する疾患に罹りやすいと中医学では考えるのです。こうした暑邪の排出には、冷たい物を飲んだり、エアコンに頼ってもだめで、しっかりと汗をかきなさいというわけです。

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