中医・我が愛しの上海へ
米国で新医薬品を目指す中医学
中国の中医学と日本の漢方薬との決定的な違いは、中国では常に新しい処方を開発し、中国国内での豊富な経験を活かして、さらにそれらを新薬として「中成薬」という形で臨床で応用していることだと思います。日本では、古来からの処方をエキス剤として使っていますが、古典処方で効果のある症例を見つけ出し、そのメカニズムを探っているのと少し方向性が違います。
そして、中国が狙っているのはやはりアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)で、新医薬品(Investigational New Drug)としての認可をとることであり、そのために日々研究が進められています。近年は、中国の製薬会社が海外勢と手を組んでさらに研究を深めるというケースが多いです。
春は肝の養生・食編
すっかり暖かくなってきて、上海でも公園の花々がとても美しくなってきています。各地で菜の花がキレイに咲いていますし、サクラも開花しはじめています。春のこの時期の中医学的養生では、やはり五臓六腑の肝・胆を注意しなくてはいけません。春に注意すべきことを食・睡眠・情緒に分けてメモしておきます。今回は食編です。
上海市金山区で手足口病、幼児2名死亡について
上海市南部の金山区で3月18日、20日に同一の「看護点」に通っていた子供2人が手足口病に感染し死亡しました。
まずこの「看護点」という施設ですが、機能的には幼稚園と同じですが、幼稚園の条件を満たしていない施設のことを指します。一般に、都市部郊外や農村で見られます。今回の金山区の施設も同様で、これまでも金山区の教育局からも衛生許可証が揃っていないとか、朝の体温測定を怠っていたとか、玩具の消毒をしていなかったとかで指導を受けていたようです。さらに、2012年には消防設備などに問題も見つかり停止処分を受けていたことも発覚しています。ただ、実際には学費の問題など様々な理由で幼稚園に行けない子供たちが通う施設として、看護点は出稼ぎ労働者の子供たちを中心に一定のニーズがあることは事実です。
高齢化の上海、乳癌の発病も高齢化傾向
上海市の乳癌の傾向について、上海市疾病予防コントロールセンターがデータを発表していました。それはどうも発病年齢が高齢化の傾向にあるということです。上海でも乳癌の発病率は高く、女性の癌の中ではトップで、癌による死亡原因では第4位になっています。ちなみに、女性の癌では第2位が甲状腺癌となっています。
発酵させる生薬「神曲」
前回は、納豆の仲間ということで「豆チ」を紹介しましたが、今回は同じ発酵させた生薬としてよく使われる神曲を取りあげてみました。
またの名を神麴(しんぎく)、六神曲ともいいます。私は習慣的に六神曲と呼ぶことが多いです。
納豆と生薬「淡豆チ(豆豉)」
先日、うちの家政婦さんが四川省の田舎で作った自家製の豆チ(豆豉)を持ってきてくれました。中華料理では欠かせない調味料ですし、うまみを引き出してくる秘密でもあります。蓋をあけてみると、香りはまさしく納豆と同じ。
Premium 2014年3月号 インタビュー
中国で発行されている日本語の月刊情報誌「Premium」の取材を先日うちの甘霖オフィスで受け、その内容が3月号のPremium Interviewに掲載されました。上海市内ではスーパーのしんせん館などに置いてあるそうです。もし見つけたらぜひ読んでみてください。