東和クリニックでの中医薬(漢方薬)

中国の中医薬も日進月歩で発展しています。従来の生薬を煎じて煮出す煎じ薬以外にも、生薬の有効成分を抽出したエキス剤の活用も増えてきました。

********  エキス剤  ********

日本漢方でもお馴染みのエキス剤ですが、主に複合処方が中心です。中国では逆に単味処方が中心です。生薬ひとつひとつの有効成分を抽出することで単味エ キス剤を製造し、処方にあわせて混ぜる方法をとります。服用時はお湯に混ぜるだけですので、航空機などでの移動でも便利です。

なにより、ロット単位での管理が可能なので、重金属や農薬検査も細かく行われていて、近年では欧米への輸出も始まっています。極めて安全に服用できるといえるでしょう。

ただ従来のエキス剤では、1袋あたりの規格が決まっているため、処方する医師サイドも細かい重量の調節が難しい欠点がありました。さらに患者さんが服用時にひとつひとつの小袋を開けて、単味の生薬を混ぜる手間が発生していました。
そこで、薬局で調剤してひとまとめにして1回分の分包して出す方法が登場しました。確かに利便性は高まりましたが、調剤時に空気に触れる機会が増え、長期保存している間に湿気てしまって塊になるリスクが高まるようになりました。一旦エキス剤の粉末が固まってしまうと水に溶けにくくなり、有効成分に影響を与える可能性もあります。

最近、湿気対策として登場したのが、カートリッジ式の導入です。当院でもこの仕組みでエキス剤をご提供しています。乾燥剤入りカートリッジに入ったエキ ス剤は、コンピューターによって管理されていて、必要量を自動的に分包します。ほぼ完全に外気と触れないため、安全に1回分の小袋に密封できます。また、 人為的なミスの発生も避けることができます。このように発展してきた単味エキス剤による調合は、中国の中医薬局の状況を劇的に変えつつあり、クリーンな環境での調剤が実現しました。

 

******** 煎じ薬 ********

煎じ薬は、中国の中医学では最も一般的な服用方法です。医療サービスの向上により、上海では浄水をつかって生薬を煎じることは一般的になりました。
ただ、生薬材の管理の難しさは、その品質の安定度と信頼した仕入れ先であるかどうかという点にかかっています。また、回転よく生薬が消費されているかも ポイントです。患者さんが少なかったりして在庫を抱えてしまうと、生薬原料の鮮度が落ちてしまい、効能にも影響を与えるからです。当クリニックでは、上海 市内でもっとも信頼できる生薬問屋の一つから直接的に生薬を入手することでその品質を高めています。

巷では最近一般の薬局などでも劣悪な生薬が多く出回る中、こうした生薬会社との太いパイプは重要です。上海市内に入ってくる生薬正規ルートの中でも、さらに品質の良い生薬を選び、丁寧に煎じることを心がけました。こうしたルートで流通される生薬は、製薬会社内で規定の農薬検査や重金属検査も受けています。

もちろん、患者さんの手間を省くために煎じたパックをお届けできますし、患者さんご自身で煎じることも可能ですので、ご希望をお知らせください。

 

当院中医科では、伝統的な中医学の良さに、エキス剤など現代中医学の研究成果を取り入れた治療法の実現を目指しています。

 
個々の症状にあわせて1つ1つ処方させていただきますので、疾患によって異なりますが、藤田先生の場合は、診察費+煎じ薬・エキス剤代合計2週間分で実費1000人民元程度を目安にしています。

ご希望により煎じ薬・エキス剤は郵送でご自宅にてお渡しできます。

日本などへの海外発送の場合は、別途ご相談ください。